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高森明勅
2017.12.1 22:00

安倍政権は皇室に悪意?

12月1日。

ご譲位の日取りを事実上、決める皇室会議。

メンバーではない菅内閣官房長官が、
通常なら宮内庁長官が座るべき位置に席を与えられたようだ。

そのせいで、宮内庁長官はいつもより少しズレた位置に。

奇妙な形だ。

国民統合の象徴である天皇・皇室を支える
宮内庁に求められる、政治からの「独立」
への配慮を、
“ことさら”
踏みにじる安倍政権の姿勢を感じさせる。

結局、天皇陛下は4月30日午後12時までご在位、
翌日に移る瞬間に退位され、
その同じ瞬間の5月1日午前0時に皇太子殿下が
「直ちに」
即位される事になった。

しかしこのタイミングでは、先にも指摘したように、
4月に田植えを行う地方があるので、
大嘗祭の悠紀・主基の
斎田を選ぶ時期が遅くなり過ぎないか。

無理をして、敢えて「5月1日」
をご即位の日とする
理由が分からない。

政府は国会の予算審議だの地方選挙だのと、
理由にもならない“
言い訳”をしている。

天皇の一代に一度限りの皇位継承儀礼の「重み」が
理解できていないのか。

それとも、皇室に悪意があるのだろうか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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